技能試験の記録

技能試験の取り組み方法(対策)

技能試験の受験資格は筆記試験に合格した方、筆記試験を免除された方に与えられますが、筆記試験の合格発表は1か月も先ですので、合否発表を待って技能試験の準備を始めたのでは間に合いません。
なので、筆記試験の自己採点が合格点なら、さっさと技能試験の受験準備に入ります。
第二種電気工事士筆記試験結果と技能試験案内
工具は筆記試験が終わってから揃えるつもりだったのなら、筆記が合格見込みか判断して工具を揃えます。
技能試験で出題される問題は、あらかじめ候補問題として公開されており、当日にそのうち1問が出題されます。
候補問題は13問あって、それぞれ特徴ありますので、試験対策としては13問全てを事前に練習しておき、どの問題が出題されても施工できるように練習しておきます。
技能試験は、実際に工具を使って配線作業を行うわけですから、工具と材料が必要になります。


技能試験のハードル

技能試験で求められるのは
・図面通りに施工できること
・制限時間40分以内に施工できること
・欠陥なく施工できること
この3つです。


40分の時間配分は、こんな感じです。
 5分:複線図
25分:施工
10分:確認・見直し(ミスがあったらリカバリー)
実質30分程度で作れるように練習しておきます。


複線図で悩んでしまうと、時間をかなり消費するので、暇を見つけては複線図を描く練習をしておきます。
出題された問題によりますが、技能試験では3割くらいの人が複線図を描きません。
複線図を描かないで、その分の時間を施工や見直しに充てるという考えです。


自分は描かないと不安だったので複線図は描きました。
図面通りに、欠陥なく、制限時間内に完成できるようきちんと練習して、試験本番では、舞い上がらないで慎重に作業できれば、時間内に作れます。
第二種電気工事士 技能試験の問題と自分の描いた複線図
技能試験の練習については、動画などを見ながら練習する方法と、技能講習に参加する方法があると思います。
技能講習に参加すると、無料動画などに紹介されないコツとかを教えてくれるようで、参加して良かったという声がたくさん寄せられてますね。


通信教育講座も良さそうです。
怪しいところ、欠陥になりそうなところを指摘してくれるようです。



技能試験が不合格だったら、自分で気づく欠陥はともかくとして、おそらく理由は分からないので、リベンジになってしまったときは、技能講習に参加しようと思ってました。
参加費は1日1万円前後が多いようです。


工具を入手する

技能試験では、試験センターが「指定工具」として定めている7つの工具があります。
電工ナイフ、ペンチ、圧着ペンチ、ドライバー(プラス)、ドライバー(マイナス)、ウォータポンププライヤ、スケール。
この7つ道具があれば、試験で出題される技能試験の問題全て対応できるようになっていますよ。ということで指定工具だけを使って作業しなさい。という意味ではありません。


でもね・・
やってみると分りますが、経験的にウォーターポンププライヤーは技能試験では要らないです。
電工ナイフで作業するとかっこいいけど、技能試験のために扱いに慣れるのはしんどいと思います。


なので、試験突破のための工具を準備することをお勧めします。
必要な工具をバラで購入しても、たいして金額は変わらないので工具セットを購入しました。


以前購入して、VVFストリッパーは所有してますが、刃物なのでもう1本持ってても良いかと考えました。


器具と材料はセットで、16,500円もするのですね。


一通り感触を経験しておきたかったので、それはそれで良いのですが、練習に使ったら材料はゴミになってしまうので高価なものだと思いました。


購入した材料は候補問題を一通り1回練習するだけ、つまり1回分なので、当然足りなくなります。1ラウンド練習したら、次は電線だけを2回分購入しました。
もちろんホームセンターに行くのはアリで、実際に現物を見るので勉強になります。
「電気工事の資格が必要な質問にはお答えできません」とありますが、電気工事士試験の材料購入というと親切に教えてくれるようです。
一緒に受験した友人に聞いたら電気工事士試験練習用として材料の一覧表を見せて購入してた人がいたと。


自分はネットで購入しました。
たとえばVVRケーブルを1巻(100m)とか練習にはそんなに必要ないので、切り売り対応してくれるショップを探します。


2回分を買い足して、送料込みで7,500円くらいだったと思います。


候補問題1回分の材料一覧

ケーブル一覧
材料といっても、青外装のケーブルやEcoケーブル、黒・赤・緑のケーブルなど、1m以下の練習用には入手しにくいので、一度使って感触を掴んだら、買い足すときはグレー外装のケーブルを購入すれば賄えます。


練習方法

購入した参考書

・ぜんぶ絵で見て覚える第2種電気工事士筆記試験すいーっと合格
結果的に練習はYoutube動画を見ながら行いましたが、
・複線図の答え合わせとして活用
・欠陥箇所のお浚いとして活用
この2点については、参考書が手元にあると便利かと思います。



Youtube動画

HOZAN Logo 電工試験の虎_ホーザン
第二種電工試験の虎 トップバナー

技能試験対策も「HOZANの山内さん」に癒されながらポイントを押さえましょう! 山内さんに癒されて頑張った諸兄がたくさんいることと想像してます。


日本エネルギー管理センターロゴ 日本エネルギー管理センター事務局
やさしく学ぶ電気工事士シリーズですが、こちらも有料級のクオリティです。
こちらは複線図を描かないで覚える習得方法で、西山先生と一緒にやってみれば腑に落ちて理解できます。


電気工事士奪取プロジェクト
忘れてはいけないサイトで、画期的な時間短縮法「EWC理論」と称して、複線図を描かない施工を視聴することができます。
オンデマンド今井氏の「EWC理論」Easy Wire Connect(簡単接続法)は、作業するうえで省くことのできるのは複線図だ!ということで手の動かない時間を極力なくす考えです。
さらに仕上がりがとっても美しく目を見張るものがあります。 自分も一通りできるようになったころ、今井氏の仕上がりを目標に練習しました。


いずれにしても、動画を見ると簡単そうに作業していきますが、慣れるまではあんなに簡単にはいきません。


資格をとって堂々とDIYに役立てたい。
最近は女子の資格所有者がたくさんいます。
第二種電気工事士のYoutubeを泳いでると必ずたどり着くのがとってもインパクトある「天津いちは」ちゃん。
【ハイレグエンジニア】第二種電気工事士の技能試験の候補問題1番を作るよ!


初めて見たときは衝撃を受けました。受験のときこんな子が隣だったら気が散って不合格間違いなし!(笑)


基本(単位)作業をマスターする

基本作業に不安があると、ケーブルに傷をつけたり電源が上手く接続できないことがあります。
試験で支給される材料には余裕があまりないため、誤って破損すると完成させられないケースもあるのです。
基本作業をきちんとマスターすることで、工具の使い方などが上達するため、破損などのトラブルが起きにくくなります。


電線のストリップ

ケーブルの切断、外装被覆の剥ぎ取り、電線被覆の剥ぎ取り
・VVFケーブルとP-958
・VVRケーブルと電工ナイフ


器具の結線

欠陥なく、体が覚えるまで、しっかり練習しましょう。
・ランプレセプタクル
・露出形コンセント
・引っ掛けシーリングの結線
・連用取付枠(スイッチ・コンセントの結線)
・配線用遮断器の結線
・端子台の結線
・金属管 PF管の施工
・アウトレットボックス、ゴムブッシングの施工
・ペンチを使うのの字曲げ
・ボンド線


電線の接続

候補問題に取り組みながら練習しましょう。
・圧着工具の使い方とリングスリーブによる圧着接続
・差込形コネクタによる接続
次の問題に取り掛かるとき、作品を解体すると20~30cm程度(場合によっては40cmのもの)の端材が出ます。
こちらを利用して、器具の結線の練習に使いましょう。


何番から着手するか

実は出題される問題には難易度(手間がかかる)があります。
候補問題を1番から順に取り組むのもアリですが、簡単な問題から着手して難易度を上げて行くのもアリと思います。


低(手間のかからない)難度の問題
No.3、No.6、No.9、No.13


中(普通)何度の問題
No.1、No.2、No.5、No.7、No.10、No.12


高(手間のかかる)難度の問題
No.4、No.8、No.11


候補問題に取り組んでいくうちに、手が工具・器具・材料に馴染んでいきます。
みなさん仕事をしながら取り組んでいるなら、少しでも効率よく練習したいものです。


複線図の是非

複線図を描くなら、試験時間40分のうち、高(手間のかかる)難度の問題が出題されても、5分程度で描けるように練習しましょう。
自分は結線の答え合わせの拠りどころとして描きましたが、複線図に5分程度の時間を要するので、描かない選択肢もアリなのかと思います。
現場で複線図を描いてる電気屋さんを見たことないので、いずれは不要になるかもしれませんが、試験突破のためには描くことをおススメします。
自分はExcelでこんなのを作って、複線図を何度も描く練習をしました。
候補問題複線図練習シート
万が一、ご要りようの方がいましたら、施工条件を変更できるようにしてありますので、ダウンロードしてご活用ください。(内容は雑ですので突っ込みはご容赦ください)
候補問題複線図練習シート


P-958の是非

ベテランの先輩たちのYoutube動画を観ていると、現場ではP-958は使っている人は少ないそうです。もっぱら人気なのは「ベッセル プロコンVA線ストリッパー」で、現場では技能試験程度の少量ではなく大量に切るので、効率は圧倒的に軍配があがるそうです。
観てるだけでは分からないし、ホームセンターで切れ味を確認することもできないので、ついつい買ってしまいました。
使ってみれば分かりますが、外装被覆、電線被覆ともに、なるほど確かに効率よく剝ぎ取れます。


ただ第二種電気工事士の技能試験突破という場面を想像すると、いくらストリッパーだけ性能が良くても、やることたくさんあるし、後工程で工具を持ち変えることなどを考えると、試験突破ならP-958に軍配があがります。
P-958はケーブルの切断、被覆の剥ぎ取り、のの字曲げが1つの工具で行えるのは圧倒的に速いです(自分はそう思います)。
また「ベッセル プロコンVA線ストリッパー」は結構かさ張ります。技能試験のテーブルは狭いので、そういった意味でも、試験突破に備えるのはP-958が有利だと思います。


1点だけ気を付けたいポイントがあります。
それは、支給されたケーブルを真っすぐにする(よく伸ばす)ことです。
「ベッセル プロコンVA線ストリッパー」だと、少々曲がっていても、被覆にしっかり噛んで剥ぎ取ってくれますが、P-958はケーブルが曲がっていると、被覆が剥ぎ取りにくく力任せに作業すると電線を傷つけたりすることになります。酷いと欠陥となり失格になります。

練習のポイント

施工条件は必ず確認する

試験時には施工条件が提示されますから、必ず確認してください。
参考書などにも候補問題ごとの施工条件は記載されていますが、これはあくまでも「想定の施工条件」ですと書いてあります。
実際の試験でも同じ施工条件になるとは限らないため、問題に取り掛かる前に施工条件を確認することを忘れないようにしましょう。


時間内に組み立てる

技能試験には40分という時間制限があります。
時間内に組み立てられなかった場合には、未完成となり試験に合格することはできません。
そのため、時間内に組み立てることを意識しましょう。
基本的に、ケーブルのよじれや切断面の不揃いなどは欠陥扱いにならないので、細部にこだわりすぎずに完成させることが大切です。


呼称確認

試験会場は、作業の音がガチャガチャとしててうるさいです。
呼称確認(つまりは独り言ですね)しても、何ら問題ありません。
周りに迷惑のかかるボリュームでなければ、声に出して確認することで、ミスを減らすことができます。
日頃から呼称確認して作業するクセをつけましょう。


リカバリー

・問題を全部覚えておく
・わざと欠陥事例を作ってみる。
練習してる間にもいくつかミスを経験します。が、試験当日は普段と違い何が起きてもおかしくありません。
リカバリーできないような重大な欠陥は論外として、見直したらリカバリできそうな欠陥を盛り込んで練習しておく。
・ランプレセプタクルの接続の白黒を逆にする。
・ランプレセプタクルの接続を左巻きにしてみる。
・絶縁被服の嚙み込み
・圧着刻印違い
・差し込みコネクタの結線間違い


便利だと思った工具(道具)

ラチェット式ねじ回し

アネックス クイックボール72 ラチェットドライバーハンドル 397-H


日頃からDIYで使っているドライバーなのですが、好みのドライバービットを差して使います。
のの字電線をランプレセプタクルに接続するとき、ネジを指先で押さえたまま作業できるのでネジを落とすリスクが軽減されます。


結束バンド

リングスリーブの仮留めに便利(HOZANの合格クリップより強力です)
100均のでも良いですが、ホームセンターで購入すると70円/100本くらいで購入できると思います。
試験終了後、外し忘れると欠陥となり不合格になるので、切るのを忘れずに。



ニッパ

ゴムブッシングの切り込みや仮留めした結束バンドの切断に便利です。
※小さめのニッパが扱いやすいと思います。


マスキングテープ

試験時、配布された箱や布定規(HOZAN)をテーブルに固定すると便利です。


ソケットレンチ8mm

ねじ無し電線管用止めネジの頭を飛ばす(ねじ切る)のに最適
ウォーターポンププライヤーより、金属管にしっかり食い込むのが実感できます。



合格配線チェッカー

練習した回路が正しく接続されているか確認できるので、ちょっと嬉しいです。
でも自分は自作しました。
合格配線チェッカーのDIY



作品を見せ合う

自分の練習した作品を画像に撮って、LINEでな友人に見せあいます。
疑問に思った部分を質問したり、あえて作品にケチをつけてもらって練習を重ねながら改善していきます。
初めのころは1つの作品に1時間くらいかかりますが、だんだん早くなって簡単な問題なら複線図を描いても30分以内で完成できるようになります。


覚え方のコツ

リングスリーブと刻印

HOZANの動画でも説明していますが、技能試験には1.6mm線と2.0mm線しか使われません。
1.6mmを1ポイント、2.0mmを2ポイントとします。
ポイント
〇:2 1.6mm線2本のときのみ
小:3~4 ほとんどが小
中:5~6 中が出たら5以上


ケガに注意

自分は技能試験の10日ほど前、食事を作っているとき包丁でざっくりと深めに左手人差し指の指先をケガしてしまいました。バンドエイドではなかなか止血できず、皮膚科に行きました。
練習しようにも、左手人差し指のケガですから、作業しづらくて仕方ありませんでした。
結果、試験当日もバンドエイド状態になり、試験中も気になってしまいました。
練習中の工具でのケガ、その他のケガ、皆さん注意してください。


技能試験 見直しのポイント

ランプレセプタクルは、輪作りの出来栄えも含め試験でも一番チェックされる部分らしいので合格に自信がある人が間違える所ではありません。
リングスリーブの刻印についても自信があるのなら間違えてはいけない所です。
見直しも完璧と思っても、初歩的な作業の方法を間違えている可能性があります。

ワースト1 リングスリーブ圧着マーク

練習中もやってしまう、圧着の刻印間違い、リングスリーブの刻印、2.0mmと1.6mmなら・・
1番多いのは2.0mmと1.6mmの2本圧着の刻印です。
正解は「小」マーク
「〇」で刻印できるのは、1.6mm×2本だけなのですが、練習中でも1.6mm×2本の「〇」はかなり多く、1.6mm+2.0mmの2本もついつい「〇」で圧着してしまう。つまりは「小」で圧着しているつもりでも思い込みでやらかします。


・小さな声で”「〇」は1.6mm×2本だけ”とつぶやき確認のクセをつけることでしょうか。
・電源線は2.0mmで指定されるので、とりわけ「〇」はあり得ません。(今後、電源線に1.6mmが使われることがあるかもしれません)


1.6mm×2本を「小」で圧着した。
工具に慣れてなくて、挟むダイスを間違えることが原因ですが、そのときは「〇」で打ち直せばいいです。やってみれば分かります。


ワースト2 引掛けシーリングの台座

台座から被覆が見えている状態で、以前は軽欠陥として扱われていたらしいですが、今は普通に欠陥となります。
台座の端から絶縁被覆が出ていてはいけないということです。(5ミリ以内であれば欠陥とはみなされない)
これは完璧に練習をして体に覚え込んでおくしかありません。
独学では客観的に見れないので、友人と見せ合うことができなければ講習参加などで確信を持っておくことかと思います。


ワースト3 渡り線

・渡り線の色違い
渡り線とは、埋め込み器具等において器具間に渡す電線のこと。
「施工条件」に、接地側は白色を使い、非接地側には黒色を使うと、渡り線の色が指示されています。
物理的には何色の電線を使ってもスイッチを入れたらきちんと通電しますが、技能試験としては欠陥です。


・渡り線を入れ忘れる
渡り線を後回しにすると時間が迫ってきた状況で忘れてしまうことがあります。後回しではなく渡り線を忘れて次の作業に移ってしまい、問題を作り終えた時点で、完成したものとしてチェックを忘れる。
渡り線は「わすれ線」と覚えておく。
Youtube動画を見ていても、渡り線は材料確保とともに、後回しにせず先に作業しています。


技能試験当日

予備知識として

・異様な雰囲気に呑まれますが、ライバルではありません。むしろ戦友です。
・技能試験は複線図を描く人、描かない人と分かれます。
・絶対に焦らない
はじめの合図から、いきなりケーブルをバチバチ切る人たちの音で、焦るとメンタルがやられます。おそらく30%くらいの人が複線図を描きません。
焦ってしまうと今まで練習してきたことが、出し切れない場合があります。
練習してきた通りにできれば、30分程度でできるハズです。残った時間で何度も見直しましょう。


女子率

どういう志しなのか分からないのですが、やはり技能試験でも1割程度は女子がいます。しかも、うら若き女子が多いです。
試験後、退室する際、ふと作品を眺めると完璧に仕上がっているように見えます。


第二種電気工事士技能試験の練習方法まとめ

第二種電気工事士技能試験を一発合格したいなら、
・(できるだけ毎日、)何かしらの基本(単位)作業を、体が覚えるまで練習する。
・13問の候補問題は一度は全て完成させる。
技能試験については、一緒に受験してくれるような巻き込める友人がいなければ、自分の施工が本当に正しいのか分からないため、講習に参加されることを強くおすすめ致します。
現場作業をされている方にとって第二種電気工事士の試験というのは、少し高を括る傾向があるらしいですが、現場とは多少異なる試験特有の注意点があるため、逆に独学で合格することは難しいかもしれません。
また、講習に参加すると独学では分からない数多くの「コツ」も教われるので、非常に高い確率で試験を突破できるようになるようです。
講習会に一回参加しただけでは不安、という方には二回目以降の講習会は割安で参加できるなど、一人でも多くの方が合格できるように臨機応変なサポートが受けれます。



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