将来性を考えてみる

第二種電気工事士の将来性を考えてみる

資格は足の裏についたご飯粒

「資格は足の裏についたご飯粒と一緒で、取らないと気持ち悪いが、取っても喰えやしない。」
資格取得について言われる古典的なフレーズですから、第二種電気工事士以外でもさまざまなところで使われてます。
・資格を取得したら向こうから仕事が来る
・資格を取得するために勉強したときのスクールがなんとかしてくれる
・協会に入れば仕事を回してくれる
などと、こんな甘いことを考えている人は、電気工事士に限らず今から資格を活かしてお金を稼ぐということは難しいと私は思います。


第二種電気工事士の資格を取得したところで、いきなりプロになったわけでもなく、電気屋さんとして開業できるわけでもありません。
技能試験では、幅50cm程度の「作品」で全長3mにも満たないケーブルを加工します。
とても工事といえるような代物ではありません。
筆記試験にはビニールテープは何回巻きなさい!と出題されますが、技能試験でビニールテープの巻きは省略です。(巻かれたら採点に手間取りますもの)
自宅のDIYでさえ、もっと大がかりで、技能試験のような施工省略なんてありません。
むやみに壁に穴を開けるわけにもいかないので、そうそう大がかりな練習もできません。


増設や改造などは例外として、天井裏、壁の中など一度工事したところは、そうそう開けて見ることはありません。
どんなに完璧な工事でも、小動物の侵入、災害など、何が起きるか分からないので、点検口からのぞけるようにケーブルの接続点はまとめておく、過熱しない設計、漏電しない施工、水がかからない対策など、きちんとした施工のレシピを覚える必要があります。


かといって、60歳から電気屋さんに就職して、たくさん経験してキャリアを積むというのも現実的な話ではありません。
重たい腰道具をつけて移動したり高所に上ったりするのは現実的ではありません


中には「第二種電気工事士の資格は、運転免許の次くらいに簡単! 履歴書に並べるだけの目的」で取得するという人もいます。
電気工事は建築工事の一部なので、受験に使用した電工7つ道具(工具)以外にたくさんの工具が必要になります。
建築というか建物の構造や工程理解したり、資格の必要な工事ですので、どうしても職人気質の人が多いので、人間関係(コミュニケーション)のスキルも必要です。
「名プレーヤーが必ずしも名監督とは限らない」なんてよく聞くフレーズですが、電工が職人気質ということは、人を育てるということを苦手とする人が多いということ。


誰でも初心者のころはあったのに、どういうわけかマウントを取る人が多い。
もちろん仕事に誇りを持つこと、拘りを持つことはとてもいいことですが、中には
挨拶もろくにできない。
作業の説明がない。
事前確認がない。
という人、少なからずのようです。


資格取得は車の運転免許証のようなものです。
つまり、第二種電気工士という免許証を取得して、初めて電気工事の運転を本格的に行う資格を得る、ということです。
車の免許だって、物を運ぶ、通勤、平日・休日の買い物、ドライブ、旅行、車いじりなど目的はさまざまで資格を取ったあと、何に活かしたいかを見つけることが重要だと思います。


資格の活用

施設管理、営繕

ホテルや旅館、老人向け住宅、特養など介護施設などには、施設管理もしくは営繕と呼ばれる専属の技術スタッフがおり、設備の点検や修理などの仕事を担っています。
照明や自動ドア、エレベーターなどの電気設備の点検を行う場合は、第二種電気工事士の資格が必須であるため、採用にも有利となるでしょう。
お客様の安全や、歴史ある旅館やホテルの建物を守るために、自身の持つ技術を活かせることはやりがいにもつながるはずです。
宿泊施設で働く際には、電気工事士の他に危険物取扱者乙種4類や2級ボイラー技士、第三種冷凍機械保安責任者、消防設備士などの資格があると、
取り行える業務範囲を広げることができます。


第二種電気工事士の資格は、DIYに役立てることができます。

いきなり大規模な電気工事に着手する人は稀だと思いますが、近年では自宅をセルフリフォームする人が増えてきています。
電気工事士の資格のない人は、たとえばコンセントなど電気設備に関する作業すら法律で許されていません。


従ってリフォームにおいては、電気屋さんへ依頼が必要となる場面が発生します。
自分でできれば材料代300円で済む工事も業者に依頼しなければなりません。
※いくら自身でやっていいと言っても、大がかりなリフォームだと全部を自身でやらず電気屋さんに点検を依頼した方が良いです。


最近では、賃貸住宅の大家さんが電気工事士の資格を取るケースも増えているようです。
逆に、中には第二種電気工事士の資格は持っているけど、何にも活かしてない人も一定の割合でいるようです。


将来についてまとめると

DIYに役立てる

せっかくDIYリフォームするなら電気工事士の資格があった方が、自分でできることが広がります。
DIYより広い表現だと、セルフリフォームするなら、電気工事の資格は必須だと思います。


無資格の施工

ちょっと器用で工具好きな人。
軽微な施工なら、資格など取らなくても見よう見まねでおそらく施工できてしまいます。材料も工具もホームセンターやネットで揃いますから。
バレなければ誰にも分かりませんし、バレないものを誰がどういう罪を問うのか?などと我田引水敵なことを言う方もいるようです。
電気って目に見えず、使い方を誤るととても危険なものです。
向き不向きがありますし簡単とは言いづらいですが、この程度の資格を取らない人は電気の施工はしない方がいいです。


自分の将来

いまさら電気屋さんに雇ってもらえるとは思えませんし、電気屋さんの方だって60歳の新人では扱いづらいでしょう。
ただ、自分の培ってきたスキルであるコンピューター環境と電気は切っても切れない関係です。
自分は少なくともコンピューターやそのインフラ知識においては普通の人よりかはある方だと思ってます。
第二種電気工事士が手を出せる範囲として、
・一般住宅(一戸建て、※マンションの部屋)
・小規模なオフィスや工場
・商店
こういう場所であれば、配線や配電盤、電気設備の設置・交換の工事、スイッチやコンセントの設置や交換といった、
電気を使うために必要な工事を行えますので、コンピューターインフラに関わる仕事として将来を考えてます。
古い建物だと、エアコンが独立回路になっていないため、エアコンとパソコンでブレーカーが落ちることがあります。
少なくともそういった不便は解消させてあげることはできます。
※高圧受電のマンションやビルの場合、第2種電気工事士だけでは違法で認定電気工事従事者が必要です。


後続の方たちへの希望(笑)

自分が電気に興味があったので、息子たちが就職するとき、電気に代わるエネルギーが発明されない限り、電気工事は職業を失う心配がないので、目指すようにアドバイスしてきました。
結果、自分の息子は2人とも、電気工事とは関係ない職業に就きましたが、自分がチャレンジすることで、頑張れば取得できるんだ。というところを証明することができました。


まとめ

・せっかく第二種電気工事士の資格を取得しても、使い道がDIYだけではもったいない
・すぐにはトラブルに至らないから怖い
材料や工具はホームセンターで入手できますし、電線の接続など、間単に処置できるように見えることに加え、不具合があってもすぐにはトラブルに至らず、古い建物だと、場合によっては電気工事無資格の大工さんが誤った処置をしているケースがあります。


本来、電線同士の接続は長期にわたって適切に接触させ続けるため、円筒状のリングスリーブで圧着するか、差し込み型電線コネクターと呼ぶ器具に電線の端部を挟み込んで接続しなければなりません。
ところが、電線同士を手でねじってつなげただけの、いわゆる「手より接続」があるといいます。
「手より接続」でも、つないだばかりのときは、とりあえず電気は流れるので問題が表面化しにくいです。
ところが、時間がたつにつれて電線表面の銅が酸化したり、地震や小動物などの侵入などで電線同士のねじれが緩んだりすることは想像できます。
接続部が小さくなると接触している部分の抵抗が大きくなることで熱を発します。細い電線に100Vの電線を繋げば熱くなることは想像しやすく出火に至ることもあります。
人間はミスをするので、絶対とは言えませんが、資格を有していれば、こういったことは勉強しますし正しい知識と技術を習得するので回避できるものと思われます。



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